昨シーズンの両者の公式戦での対戦は１勝１分１敗の五分。迎えた今シーズン最初の対決は、チャンピオンズ・リーグ（CL）で好対照の結果を受けての戦いとなった。
 
　ホームのアーセナルは、２-３で敗れたCLのオリンピアコス戦からスタメンを一部変更。２列目の右にアーロン・ラムジーを入れ、CBにはハムストリングを負傷しているロラン・コシエルニーに代えてペア・メルテザッカーを配置、そしてGKにはダビド・オスピナではなくペトル・チェフを戻した。
 
　一方のユナイテッドは、ルーク・ショー、マルコス・ロホと怪我人を多く抱えるSBに、それぞれ右にマッテオ・ダルミアン、左にアシュリー・ヤングを入れた。
 
　互いに怪我人を抱えるなかでの試合は、キックオフ直後から素早い切り替えとハイプレッシャーをアウェーチームにかけ続けたアーセナルが先手を奪う。
 
　まずは６分。相手の不用意なクリアボールを敵陣深くで奪ったメスト・エジルが、ラムジーとのワンツーでペナルティーエリア内に侵入し、右サイドを攻略。そのドイツ代表MFからの折り返しを、逆サイドからニアサイドに走り込んできたアレクシス・サンチェスが、ヒールで華麗に流し込んだ。
 
　この１点で勢いづいたアーセナルは、直後の７分に追加点を挙げる。
 
　ピッチ中央で前を向いたサンティ・カソルラからのクサビのパスを、A・サンチェスがヒールでエジルへ。前を向いた状態でボールをもらったドイツ代表MFは、すぐさま相手DFの背後にフリーランニングで走り込んでいたセオ・ウォルコットへ見事なスルーパスを通した。
 
　ウォルコットはこれをペナルティーエリア内に持ち込み、DFを引き付けたところでマイナスへ戻し、フリーでエリアに入ってきていたエジルが左足で沈めた！
 
　ユナイテッドがエンジンに火を入れる前に、電光石火の攻撃で２点を奪ったことでアーセナルは、完全に試合の主導権を握ることに成功した。
 
　１トップのウォルコット、２列目のA・サンチェス、エジル、ラムジー、ボランチに入ったカソルラの５人が流動的かつスピーディーに動くことで、相手DF陣にボールの奪いどころを作らせずに翻弄した。
 
　アーセナルは攻→守の切り替えも速く、ボール保持者が蹴る前に寄せることで、カウンターのチャンスすら与えなかった。
 
　こうした理想的なゲーム展開のなか、ホームチームは19分に早くもダメ押し点を決める。
 
　右タッチライン際でヤングに競り勝ったラムジーが、ゴール前中央へ展開。それをウォルコットが反転気味に左サイドのA・サンチェスへとパスすると、バイタルエリアでそれを受けたチリ人ストライカーはダルミアンをかわして豪快に右足を振り抜き、ネットを揺らした。
 
　以降、ユナイテッドがボールを持たされ、アーセナルがカウンターで隙を突くという展開のまま、前半は終了した。