大不振のチェルシー 「モウリーニョ3年目の鬼門」という落とし穴

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年09月08日

前回のチェルシーでも、マドリーでも3年目に問題が噴出。

スタートで躓いたチェルシー。モウリーニョ監督の「3年目の鬼門」を指摘するのが、タイムズ紙のケイ記者だ。 (C) Getty Images

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 チェルシーが苦しんでいる。4試合を終えたプレミアリーグで1勝1分け2敗の13位に沈み、2節には優勝を争うライバルのマンチェスター・シティに0-3の完敗を喫した。
 
 開幕から4試合すべてで失点し、ここまで計9失点という守備の体たらくは間違いなく不振の要因だが、ジョゼ・モウリーニョ監督の「3年目の鬼門」を指摘するのが、英高級紙『タイムズ』のフットボール部門の主筆で、『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを持つオリバー・ケイ記者だ。
 
 ワールドサッカーダイジェスト9月17日号から、「モウリーニョ3年目の鬼門」の要旨をまとめてみよう。
 
 まず、モウリーニョはひとつのチームを長く率いたことがない。就任3年目を迎えたのは、前回のチェルシー、レアル・マドリー、そして今回のチェルシーと3度目で、過去2回はいずれもこの3年目で問題が噴出し、政権が崩壊している。
 
 チェルシーでの第1次政権では3年目の2006-07シーズンにオーナーのロマン・アブラモビッチと激しく衝突し、翌シーズンの序盤に解任された。
 
 マドリーでの3年目(12-13シーズン)は、フロント、選手、相手チーム、メディアとスペイン中のほぼすべての人間を敵に回している。
 
 08-09シーズンから率いたインテルでは、セリエA連覇と3冠の偉業を置き土産に2年で任期を終えた。
 
 チェルシー(前回も今回も)でも、インテルでも、マドリーでも、そしてその前のポルトでも、モウリーニョは必ず2年目までにリーグ優勝を成し遂げているが、成功は3年目にまでつながらない。
 
 チェルシーの監督に復帰して3年目の今シーズン、スタートで躓いたチームには不穏な空気が流れている。チェルシー第一次政権の3年目とマドリーでの3年目のように、だ。
 
 社会的にも大きな物議を醸した医療スタッフとの対立、ジョン・テリーとジエゴ・コスタとの間に生じた不協和音は、チーム崩壊への序章となりうる問題だ。モウリーニョは情緒不安定で、動揺しているように見える。
 
 あえてコンフリクト(紛争・トラブル)を起こし、外に敵を作ってチームを結束させるのがモウリーニョの常套手段だ。ただ、そうした“劇薬”の効果は長くは続かないし、矛先を内部の人間に向けるのは自分で自分の首を絞める行為だ。
 
 10年前にロンドンにやって来た頃よりも、賢くなり、良い人間になったと、いまのモウリーニョは語る。今シーズンの開幕前には2019年まで契約を延長した。
 
 しかしこのポルトガル人指揮官は、マンチェスター・ユナイテッドを27年間率いたアレックス・ファーガソンやアーセナルで20年目を迎えたアーセン・ヴェンゲルにように、ひとつのクラブに長く腰を落ち着けてじっくり仕事をするタイプではない。
 
「鬼門の3年目」に、モウリーニョはどう立ち向かうのか。賢くなったみずからを、いまこそ証明する時であると、ケイ記者はコラムを結んでいる。
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