【番記者通信】ファンを怒らせたバロテッリの退団は確実か!?|ミラン

カテゴリ:メガクラブ

レナート・マイザーニ

2014年03月21日

プレーでは結果を残してひとり気を吐いているが…。

「自分はミラニスタだ」とチーム愛を口にするバロテッリだが、サポーターから批判されると「ここから出て行ったっていい」と攻撃性を露にする。果たして本心は!? (C) Getty Images

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 サン・シーロでのセリエA第28節のパルマ戦は、1986年にシルビオ・ベルルスコーニが実権を手にして以来、最悪の時期を迎えていることを象徴する新たなエピソードとなった。

 サポーターが試合前にスタジアムの関係者通用門で抗議行動を起こしたことに始まり、試合に入って間もない5分にはクリスティアン・アッビアーティが退場。大きな不利を背負うことになった結果、ホームで無残に2-4の大敗を喫した――。

 当然ながら、試合後はネガティブな話題ばかりが、ミランを取り巻いた。クラレンス・セードルフ監督の将来に対する疑念、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長の管理に対する批判、クラブそのものの将来についての不安、来シーズンはCLはおろかELに参戦することさえ難しくなったという厳しい現実……。検証すべき多くの問題があり、“ディアボロ”(ミランの愛称)のファンは大きな心配を募らせている。

 このネガティブな話題には、当然マリオ・バロテッリも関わっている。彼はまたしても、ファンを怒らせた。それは、パフォーマンスによるものではない。彼にミランの不振の全責任をなすり付けるのは、あまりにアンフェアだ。ミラン加入後、これだけ見るも無惨なミランの中にあって15ゴールを記録しているバロテッリ。同時期にチームが挙げた総得点数が55であることを考えると、それは十分に評価できる数字だ。

 サポーターとの間に溝を作ったのは、彼の態度だ。パルマ戦の試合中、ブーイングを浴びせるファンに対してバロテッリは、皮肉めいた拍手を送った。決して卑俗なジェスチャーではなかったものの、これは「クルバ・スッド(ゴール裏スタンド)」を怒らせ、試合後に設けられた選手との話し合い(訳注:パルマ戦後、現在の不振についての釈明を求めるため、サポーターの代表がセードルフ監督、カカやバロテッリら数人の選手との直談判に臨んでいる)では、このことについても厳しい追求がなされた。

 彼らの見方を集約すれば、「バロテッリには、ミランの現状を打開するための努力が足りない」ということだ。試合では自分のことだけ考えてプレーし、チームのために犠牲を払うという姿勢を見せていない、と。実際、チャンピオンズ・リーグでのアトレティコ・マドリー戦後、不甲斐ない結果に終わったにもかかわらず、彼が笑顔でバスに乗り込む様子が目撃されているし、パルマ戦での試合後も、サポーターの怒りを鎮めようとして行動を起こすどころか、早く帰りたいという態度を露にしていたという。サポーターの批判はバロテッリのツイッターにもおよび、プロフィール画像にイタリア代表やマンチェスター・シティのユニホーム姿はあるのに、ミランのものがないことにも不満を表している。

 現状のままいけば、5月に「バロテッリがミランを除隊させられる」という見出しが新聞紙上に躍ることは違いない。彼の移籍の噂話に対し、チーム関係者は再三否定しているが、その一方で「彼がミランにこのまま残ることはない」というのが、イタリア国内での大方の見方なのだ。

【記者】
Renato MAISANI
レナート・マイザーニ
1985年カターニャ生まれ。2006年から地元紙やWEB媒体でキャリアを積み、ミラノに軸足を移して活動の場を拡げる。現在はイタリア国内の著名ポータルサイトの編集員。国外サッカーにも通じ、地元紙でフランス・リーグのレビューを連載中だ。

【翻訳】
神尾光臣

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