【仙台】早急な立て直しを迫られる戦果なき敗北

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2015年08月01日

相手にすべてで上回られて、勝負を決した前半の45分間。

後半に金久保(写真右)のゴールこそ生まれたが、結果も内容も惨敗。厳しい言葉を投げかければ「戦果なし」の試合であった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 堅守対堅守。そう見られていた第2ステージ・5節のFC東京と仙台の一戦は、前半で0-3というスコアを記録。特に仙台は苦し紛れのシュートが2本あっただけだった。後半こそ盛り返した(最終的なシュート数は7:9)ものの、それはFC東京が重心を後ろに下げてカウンター狙いに切り替えたからと見るのが妥当だろう。
 
 68分には最終ラインと中盤のスペースに入り込んだ金久保のミドルシュートで1点を返した。しかし、厳しく言えば“戦果なし”。第2ステージ初勝利を懸けて挑んだアウェーでのFC東京戦は、そう表現して過言ではない出来で、多くの失望が充満する1戦であったことに疑いの余地はない。
 
 前述したようにスコアで大差をつけられた前半は、内容でも今季ワーストの出来だと言っていい。ミッドウィークに仙台から駆け付けた少なくないサポーターから、ハーフタイムを告げる笛とほぼ同時に鳴り響いたブーイングにも、その事実は窺える。
 
「前半はシンプルに前を狙う、そしてこぼれ球を拾うというプランで入った。しかし、その先のセカンドボールの予測や、今年一番のテーマである球際で後手を踏んでしまった」(渡邉監督)
 
 確かに攻撃面でその傾向は見て取れた。金園や久々の先発となったR・ロペスを目指してロングボールを放り込む場面は多かったように思う。だが、出色の出来だったFC東京のCB丸山や森重に撥ね返され、さらにそのボールは米本と野澤によってことごとく回収された。
 
 さらに渡邉監督は試合後の会見でこの惨敗についての言及を続けた。
 
「ファーストディフェンダーが決められず、最前線が後ろに下がり過ぎた。それに伴ってプレッシャーを掛ける位置も低くなった。そこが決まれば予測もしやすく、ボールホルダーへのアタックもしやすかったはず」
 
「前節までの4試合に関して言えば、内容は悲観するものではなかったと思う。今日の試合で我々の拙さが出た。もう一度、『球際で勝る、切り替えで勝る、走力で勝る』という原点を見つめ直さなければならないと思っている」
 
 勝負の行方が決まった前半を突き詰めると、まさにここに帰着する。ボールの取りどころがハッキリとせず、守備の狙いが見えてこない。予測が遅れ、寄せが一歩遅れる。結果として球際は弱くなり、切り替えのビジョンがないため推進力が生まれず、走力でも相手に上回られたように映る。
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